第11章 /全11章
この先の確率
この章は、中学校の学習指導要領の範囲をこえる発展の内容だよ。高校の数学A「場合の数と確率」(反復試行・条件つき確率)、数学B「統計的な推測」(期待値)と、社会の中の確率への入口。
中学で学んだ数え方は、
高校にも、社会にも、そのままつながっている。
1. くり返しの試行(高校:反復試行)
さいころを3回投げて、6の目が少なくとも1回出る確率。「1回も6が出ない」のは、1回ごとに5通りずつで 5×
1−
3回投げても、6が出る確率は半分にもとどかない。第1章の「6回投げても出ないことがある」の続きだよ。
2. わかったことがあるときの確率(高校:条件つき確率)
病気の検査は、病気でない人を「陽性」と判定してしまうことがある。人数で考えると、見えてくる。
予想1000人のうち10人が病気。検査で、病気の10人のうち9人が陽性。病気でない990人のうち99人も陽性になる。陽性の人のうち、本当に病気の人は約何%?
発見「病気の人が陽性になる割合」と「陽性の人が病気である割合」は、まったくちがう。人数(1000人中何人)で数えると、取りちがえにくい。
3. 1回あたりの平均(高校 数学B:期待値)
さいころの目の平均は、1〜6 が同じくらい出るので (1+
「確率 1/6 を6回で、1回」も、この「平均」の考え方なら正しい。6回ずつのセットを何度もくり返すと、1の目の回数は、ならして1回くらいになる。
どう考えた?
「100回に1回当たるくじは、100回引けば必ず当たる」。正しい? 理由も書こう。
説明の例を見る
正しくない。1回ごとに99/100の確率ではずれるので、100回ともはずれる確率は、99/100を100回かけた値で、約0.37。3回に1回くらいは、100回引いても1回も当たらない。
数学ではどう考える?
独立な試行をくり返すとき、それぞれの確率をかけ合わせて求められる(中学では、樹形図で全部の場合を数えて確かめた)。条件つき確率は、「わかったことがら」にあてはまる場合だけを全体として数え直した確率。期待値は、(値)×(その値になる確率)の和。どれも、同様に確からしい場合を数える中学の考え方から出発している。
この先は、問題集「高校へ(数学A)」と「社会の確率」で、実際に解いてみよう。
この章で、できるようになったこと
- 人数で数える方法で、条件のついた確率(陽性のうち本当に病気の人の割合)を求められる
- 1回の平均の値(期待値)の意味を、くり返しの平均として説明できる